第一伊藤建設株式会社の代表取締役である伊藤卓見は、2020年5月22日、株式会社パナホーム静岡の代表取締役社長に就任した。「新しいパナホーム静岡ではなく、更なるパナホーム静岡を目指したい」と意気込む伊藤に、就任して感じたことや、改めて策定した理念とビジョンについて聞いた。
横軸の可能性は無限大
出社初日、伊藤がまず目にしたのは、社員が汗水を流し這いずり回って働く姿だった。皆が本当によく働いてくれている会社だと感心した。「同じイトーグループから来たとはいえ、私の存在は異分子。自分のやり方を押し付けるのではなく、この会社の良いところを活かしながら、少しずつ融合していこうと誓いました」。
パナホーム静岡は1979年(昭和54年)の設立以来、静岡県で唯一パナソニックホームズ株式会社の家を建てられる会社として、地域に高品質な家を提供してきた。約20年前からは総合展示場を中心とした市販部隊、土地を中心とした特販部隊、法人からの紹介案件を扱う法人部隊、相続税や投資案件を扱う土地活用部隊の4つに分かれ、情報別営業を展開。今後はそれぞれの専門性を高めるとともに、部署間の横のつながりを強化したい。
加えて、グループ内の連携にも意識的に取り組む予定だ。イトーグループには、個性が異なる11社が存在する。社内で完結できないことは他社に、他社にできないことはパナホーム静岡が担う。日ごろから情報や想いをグループ内で共有し、それぞれの専門を深掘りすればするほど、様々な連携が思い浮かぶだろう。
良縁づくり=家づくり
社長就任にあたり、伊藤はこれまで漠然としていた理念とビジョンを明文化した。揺るぎない信念として、社員の拠りどころになることを願っている。
理念は「良縁づくりを通して、地域に貢献する」。良縁づくりはイトーグループの大きなテーマだ。パナホーム静岡における良縁づくりとは信頼づくりのことであり、信頼づくりとは家づくりを意味する。言うなれば、良縁づくりとは家づくりなのだ。パナホーム静岡は年間約300棟の良縁を地域に建てているが、これらの家は太陽光発電システムを搭載し、地震にも強い。災害が発生した際に人々の命を守るだけでなく、その後も住み続けることが可能だ。良い家は個人の資産でありながら、地域の資産でもあると言えるだろう。
地域の資産をつくるだけに留まらず、スポーツ大会などへの協賛も積極的に行い、子どもの教育や親子の触れ合い、健康増進に寄与。今後も本業の家づくりと社会活動の両面から、地域へ貢献し続けていきたいと考えている。
困ったときに頼りになる会社
将来のビジョンは「ファーストコールカンパニーになろう」。目指すのは、家のことだけでなく生活産業全般において、まず初めに声を掛けてもらえる会社だ。達成のためには、2つの価値がキーワードとなる。
1つは「人、家、地域への誇り」という価値。自立した社員が、素晴らしい家を地域に提供していることを誇りに思ってほしい。もう1つは「機能的、感覚的、見えないもの」の価値。ただ住める家を建てれば良いのではなく、人や資産を災害から守り、生活を豊かにし、それぞれの家を建てる意味を大切にしなければならない。
すべては理念である「良縁づくりを通して、地域に貢献する」や、グループの2021年のスローガン「お客様の為になっていますか」に繋がっているのだ。
設立50周年を見据えて
コロナ禍は、ピンチではあるがチャンスでもある。世の中が大きく変わろうとしている今、変化を恐れるのではなく積極果敢に対応していくつもりだ。
「43年前にまかれたパナホーム静岡の種は、芽を出し、茎を成して、花を咲かせ、50周年にはどんな実をつけたいのか、社員一人ひとりに考えてほしい。そして、今後も良縁をつくり続けるために、目標に向かって行動してほしいと思っています」。
伊藤が描く「更なるパナホーム静岡」の姿に、期待が高まる。
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